皆さんは、poor skinny manとskinny poor manとの違いがわかりますか?
一見、poorとskinnyの並びが違うだけですが、この2語には、まったく異なる意味があります。
この記事では、英語における形容詞の順番についてご紹介しています。
形容詞の順番が違うだけで、誤解を生む場合があるので、こちらでしっかりその順番を勉強しておきましょう。
形容詞とは
始めに、形容詞とは何かを簡単にご紹介します。
形容詞とは、名詞を装飾する品詞です。
背が高い、美しい、といった、事物の性質や状態を表すときに使います。
形容詞には、大きく分けて2つの用法があり、「彼女は背が高い」といった動詞の補語となる使い方と、「きれいな人」といった名詞の前に置く使い方があります。
形容詞は、いくつも重ねて使用することができ、「彼女は、背が高くてきれいな人だ。」といった使い方ができます。
英語には形容詞の順番がある
形容詞は重ねて使用できますが、英語にはその並びに順番があります。
日本語では、形容詞の順番はそれほど重要ではなく、きれいな背の高い人、背の高いきれいな人、のどちらでも言うことができますよね。
若干、名詞に近い形容の方が、強めかなと感じるぐらいです。
しかし英語の場合、「きれいな背の高い人」が正しく、「背の高いきれいな人」は誤りとなります。
なぜ形容詞の順番があるのか
英語に形容詞の順番がある理由は、文法として間違いとなるほか、誤解を生んでしまう可能性があるからです。
冒頭でご紹介したpoor skinny man とskinny poor manの違いを説明しながら見ていきましょう。
まずpoorという言葉には「貧しい、お金がない」という意味のほかに、「かわいそう、哀れむべき」といった意味もあります。
そこで問題となるのでが、上の例では、どちらの意味となるかわからないという点です。
貧しい痩せた人とも言えますし、かわいそうな痩せた人とも言えますよね。
では、どのように形容詞の意味を判断するのかというと、形容詞が並べられた順番を見ます。
英語では、意見(主観)→ 大きさ(サイズ)の順番で形容詞を並べるというルールがあるので、poor がskinnyの前にあるpoor skinny manは、かわいそう(意見)な痩せた人、poorが後にあるskinny poor manだとは、痩せた貧しい人と判断できます。
このように、英語では形容詞の順番で言葉の意味を判断するため、正しい順番を覚える必要があるんです。
形容詞の正しい順番
それでは、ここから形容詞の正しい順番をご紹介したいと思います。
英語では下記の順番で形容詞を並べます。
- 意見、主観
- 大きさ、サイズ
- 年齢、新旧
- 形、形状
- 色
- 起源、所属
- 材料、素材
- 用途
意見、主観(opinion)
意見、主観(opinion)は、美しい、かわいい、美味しい、といった主観に基づく形容詞です。
形容詞の先頭に置かれます。
- Beautiful(美しい)
- pretty(かわいい)
- cool(かっこいい)
- delicious(おいしい)
- difficult(難しい)
- nice(すばらしい)
などがopinionに当たります。
大きさ、サイズ(size)
大きさ、サイズ(size)は、大きさ、高低、サイズに関わる形容詞です。
- big(大きい)
- small(小さい)
- tall(背が高い)
- huge(巨大)
- little(小さい)
- tiny(とても小さい)
などがsizeに当たります。
年齢、新旧(age)
年齢、新旧(age)は、年数、年代で状態を表すときに使う形容詞です。
- Young(若い)
- old(古い)
- new(新しい)
- antique(年代物の)
などがageに当たります。
形、形状(shape)
形、形状(shape)は、形、重さ、長さに関連する形容詞です。
- round(丸)
- square(四角)
- sharp(尖った)
- heavy(重い)
- light(軽い)
- long(長い)
などがshapeに当たります。
色(color)
色(color)は、色に関わる形容詞です。
色の明るさや濃さなどもここに含まれます。
- Red(赤)
- blue(青)
- reddish(赤っぽい)
- pale(青白い)
- vivid(鮮やかな)
などがcolorに当たります。
起源、所属(origin)
起源、所属(origin)は、その事物がどこから来たのかを表す形容詞です。
- French(フランスの)
- Spanish(スペインの)
- oriental(東洋の)
- European(ヨーロッパの)
などがoriginに当たります。
材料、素材(material)
材料、素材(material)は、物が何で作られているかを示す形容詞です。
- Plastic(プラスチックの)
- wooden(木製の)
- porcelain(磁器製の)
- brick(レンガ造りの)
などがmaterialに当たります。
用途(purpose)
用途(purpose)は、何に使われるか、何をしているのか、といった目的を表す形容詞です。
- Running(走るための)
- swimming(泳ぐための)
- tennis(テニス用の)
- baseball(野球用の)
などがpurposeに当たります。
おすすめの覚え方
これまで、英語における形容詞の順番についてご紹介してきましたが、この順番を覚えるのは、なかなか大変ですよね。
そこで、こちらでは、おすすめの覚え方をいくつかご紹介したいと思います。
OSASCOMPで覚える
OSASCOMPとは、形容詞の順番である、
- 意見、主観(opinion)
- 大きさ、サイズ(size)
- 年齢、新旧(age)
- 形、形状(shape)
- 色(color)
- 起源、所属(origin)
- 材料、素材(material)
- 用途(purpose)
の頭文字を並べたアクロニムです。
一般に、オス(os)アス(as)コンプ(comp)と言ったりします。
オリジナルで覚え方をつくる
OSASCOMPは英語の頭文字なので、覚えにくいと感じる方もいると思います。
そう感じる方は、オリジナルの覚え方を作る方がいいかもしれません。
学生時代、歴史の年号を替え歌で教えてくれた先生がいましたが、結構覚えやすかった記憶があります。
話したり、聞いたりして覚える
英語は形容詞の順番が決まっていますが、英語がネイティブの方はこの順番を覚えているのでしょうか。
実際のところは、順番を記憶しているのでなく、英語を幼いこらから使うことで自然と身に付いているそうです。
もちろん記憶して使うのもいいですが、自然にわかる方がいいですよね。そのため、実際に話したり聞いたりして、その順序に慣れる方が、もしかすると最も効果的な学習方法かもしれません。