昨今の学校教育では、小学校低学年からローマ字をカリキュラムに組んで教えるよう定められているようです。
日常生活の中で、駅名や地名などをローマ字表記している場所は多くあり、また、パソコンのタイピングでローマ字入力が必須なため、ローマ字を学ぶことが義務付けられています。
しかし、ローマ字教育は本当に必要なのでしょうか。
英語を習い始めると、そのスペルや発音の違いに困惑することが少なくありません。
自分の名前がローマ字表記だと違和感があるという子も少なくありません。
たとえば、「じゅんや」という名前はローマ字表記でjyunnya。違和感がありますね。
この記事を参考に、ローマ字の立ち位置をはっきりさせ、将来に活かしてください。
必要なのかをジャッジ!ローマ字教育
ローマ字教育が必要かどうかは、専門家の中でも論議が交わされています。
日本人が英語を話せるようにならないのは、ローマ字教育が邪魔をしているからではないのか?という説もあります。
日本で習うローマ字は、英語と同様アルファベットを用いて、日本語の発音に充てています。
あいうえお(a I u e o)の母音と、それに対応する子音を組み合わせることで、日本語の発音を表現することができます。
大まかなルールにはなりますが、例えば「か」という文字はk+aでkaとなります。
日本語のように、一つ一つの文字の発音に区切りがある言語は、ローマ字で発音を表すのに特性があっているのでしょう。
しかし、ローマ字の問題として、英語表記との違いが問題になります。
英語の発音の勉強をした方ならご存じかと思いますが、英語の文字と発音の学習にはフォニックスがあります。
フォニックスを学び始めると、母音の数はローマ字と同様(a I u e o)の五種類ですが、発音は一つとはかぎりません。
これは、英語だけでなく中国語などでも、一つの母音に対し、いくつもの音が存在するのと同様です。
学校でローマ字を教える理由
それではなぜ日本ではフォニックスではなくローマ字から学ばせるのでしょうか。
大きな理由は、タイピングに対しての対策です。
コンピュータを使い始めると、必ずタイピングでローマ字入力が発生します。
昨今の世の中ではパソコン教育は不可欠ですから、英語の発音うんぬんより、まずはローマ字入力のルールを子供たちに教え、パソコンを使えるようになることを必要としています。
また、アルファベットを教える際にも、英語からではなくローマ字が始めやすいという点も理由の一つです。
日本語の発音に合わせたローマ字を学ぶことで、身近な音をアルファベットで表現できます。
いきなり何十種類もある発音したことが無いフォニックスで英語教育を始めるより、なじみのある日本語をベースにしたローマ字でアルファベットを学ぶほうが、子供たちにとっても勉強しやすいのでしょう。
こういった理由から、日本ではローマ字教育を小学校低学年から行うことが決まっているのです。
子供のローマ字と英語の困惑を防ぐには
それでは、先にお話しした、英語とローマ字の違和感や困惑はどのように解消すればよいのでしょうか。
中には、英語教室などに通って、学校教育にさきがけて英語をならっている子供も少なくありません。
先ほどお話ししたように、ローマ字教育の大きな理由は、アルファベットの習得と、タイピング技術の習得だと割り切り、英語は英語、ローマ字はローマ字と全く別物として学ぶということを徹底して教える必要があります。
ローマ字をないがしろにして学ばないことは、メリットは一つもありません。
むしろ、ローマ字をしっかり学ぶことで、日本語の発音や日本語自体のローマ字表記がある場所で、スッと文字や発音が理解できるようになるでしょう。
また、海外に行ったときに、日本の住所に手紙や荷物を出すときにも、ローマ字表記が必須になります。
なぜなら、地名や場所の名前には英語表記が存在しない場所が多く存在するからです。
これらを踏まえて、ローマ字と英語の困惑を防ぐためには、
- 使用する場所が異なること
- 発音が全く異なること
- 海外ではローマ字はあまり使われないこと
以上を子供に意識して教えることで、ローマ字と英語の区別がしっかりと認識できるでしょう。
結論、無駄にはなりません!
ローマ字教育が英語の習得の弊害になっているという説はもちろんありますが、この記事でご紹介したように、日々の生活の中で、タイピングや地名の発音で必要となる場面が多々あります。
駅でのローマ字表記や、自分の名前を通して、ローマ字に触れる機会を家庭で持つことは、子供の英語とローマ字の認識に大きなメリットとなるでしょう。