TOEICやTOEFLなどの資格試験で、リーディングのスコアを伸ばしたいけど、長文読解が苦手。
仕事で、メールのやり取りや契約書の確認をしているけど、もっと早く読めるようになりたい。
今回の記事はこのような方にピッタリの内容です。
難しいように思われる英語の長文読解ですが、試験問題や契約書に限らず、英語の長文には決まった順番や型があります。
それを理解しているか、理解していないかで長文読解のスピードや理解力は大きく変わってきます。
実際のTOEICの過去問や、実際に使われている英語の雇用契約書を元に長文読解のコツを紹介してますので、是非参考にしてください。
記事後半では、無料で行う長文読解の学習方法も紹介していますので、気になった方はチャレンジしてみてください。
長文読解のコツ
英語の長文読解には大きく分けて4つの意識すべきポイントがあります。
- 問題を先に読む
- パラグラフ(段落)の作りを理解する
- パラグラフの結論を押さえる
- 文章への書き込み
それぞれを詳しく紹介していきます。
問題を先に読む
TOEICやIELTSといった、英語の資格試験問題の場合、出題問題の種類にもよるが、基本的には問題文を先に読み、どういった回答をしないといけないのか理解しておく必要があります。
良く言われている当たり前の方法ですが、これをすることで、何を注意して読まないといけないのか、長文は何について書かれているのかもわかります。
この方法は、試験問題に限らず、仕事上で長文を読まないといけない場合も同様です。
契約を読まないといけない場合、何に注意して読まないといけないのか、明確にして読ことで、より速いスピードで理解して読み進めることが出来ます。
例えば、英語の雇用契約書を読むのに、内容に問題ないか全て読むのではなく、
- ポジションは何なのか
- 有給はどのぐらいあるのか
- 給料はいくらなのか
- 給料はいつ払われるのか
- 研修期間はあるのか
などの様に重要なポイントを書きだし、そのポイントに集中して読むと良いでしょう。
例えば日本語においても同様です。
日本で車の保険に入る時も同様だと思いますが、いくら日本語とはいえ、契約内容を全て読むのは難しく、ほとんどの人は、保険料がいくらなのか、対人&対物はいくらまでカバーされているのか、自分の車ほ保障もカバーされているのか、など重要なポイントしか読まないでしょう。
仕事の場合は問題は設定されていませんが、重要なポイントを書き出す。
すなわち、自分で設問を作ってしまえば、文章は読みやすくなります。
パラグラフの作りを理解する
続いてパラグラフについて考えていきましょう。
パラグラフ(段落)には話題にしたいテーマ一つしか入っていません。
パラグラフで話題にしていることは何なのか、1つ掴むことが重要です。このパラグラフの話題を一言でいえば”これ”というところを抑えていきましょう。
実際のTOEIC、Part7の過去問を例に解説していきます。
- パラグラフ1:Business Audio Proという会社は電話音声応答のサービスを提供している
- パラグラフ2:声を録音する俳優は様々なアクセントやトーンに対応できる
- パラグラフ3:電話ホールド中の音声の作成も可能
- パラグラフ4:対応音声の文章はカスタマイズできる
- パラグラフ5:多数の言語での対応ができる
- パラグラフ6:会社の連絡先など
一見、長い文章の様に見えますが、このように一つ一つのパラグラフで、一つの事しか述べていないので、それぞれのパラグラフで何を述べているのか、注視して読んでいくことで長文をクリアすることが出来ます。
今回は短い例文しかなかったのですが、もっと長い例文や、仕事で使う契約書なども基本的にこの作りとなっています。
パラグラフの結論を抑える
次に長文読解をする上で、重要なポイントが、結論を抑えるという事です。
基本的に英語は全て、結論を先に持ってくるので、パラグラフの2~3行目までを読めば、最も重要なことが書かれてあり、何を言いたいのか分かるようになっています。
これは試験問題に限らず、契約書などの全ての英文に当てはまる文章の作りです。
英語の並びは基本的に、結論(最も重要な事)が最初に来て、その後にその結論の説明や詳細な内容が来るようになっています。
結論→結論の説明や詳細となっていることを先ほどの例文を使ってみていきましょう。
- パラグラフ1:電話音声応答のサービスを提供している(結論)
- パラグラフ2:声を録音する俳優は様々なアクセントやトーンに対応できる(結論であるサービス内容の詳細)
- パラグラフ3:電話ホールド中の音声の作成も可能(結論であるサービス内容の詳細)
- パラグラフ4:対応音声の文章はカスタマイズできる(結論であるサービス内容の詳細)
- パラグラフ5:多数の言語での対応ができる(結論であるサービス内容の詳細)
- パラグラフ6:会社の連絡先など(結論であるサービスを始める方法→問い合わせ)
このように、結論であるパラグラフ1を読めば、何について書かれてあるのか、ある程度理解が出来、その後に来る文章は基本的に結論の説明になっています。
また、この長文の構成は、全体像だけに言える事ではなく、各パラグラフ内でも同様の作りになっています。
Business Audio Pro meets your specifications to record a customized telephone greeting within three business days!(結論の詳細)
- 結論:プロ仕様で個性的なボイスメッセージで素敵な第一印象を与えましょう。
- 結論の詳細:Business Audio Proは3営業日以内に、あなた仕様にカスタマイズされた電話対応音声をお届けします。
上記は結論は、わが社はボイスメッセージの会社です。ということを言っているのですが、第一段落は読者の興味を引くという要素がありますので、印象的な言葉になっています。
その後、会社の説明が入ります。三営業日以内であったり、カスタマイズできることであったり、結論の詳細が語られます。
1.Professional Voice Talent for Voicemail Messages(結論) – We have numerous male and female voice actors with a wide range of tones, accents, and dialects. Visit businessaudiopro.com to hear examples of what each actor sounds like and choose the one that best suits your needs.(結論の詳細)
- 結論:プロのタレントによるボイスメッセージを用意しています。
- 結論の詳細:数多くの男女の俳優により、様々なトーンやアクセント、方言にも対応できます。当社webサイトでサンプル音声を聞くことでき、あなたのニーズにあった音声を選択することができます。
結論としては多種多様なボイスメッセージを使えるという点、詳細な内容では、性別ごとに対応できることや、トーンやアクセントなど音声のバリエーションの紹介、そして、webサイトでサンプルが聞けることが紹介されています。
- 結論:保留メッセージにも対応している
- 結論の詳細:プロ仕様の保留メッセージを用意しており、素敵な音楽と合わせて、保留中のお客様が素敵な時間を過ごすことができるでしょう。
結論は保留メッセージも作れるということ。詳細では音楽とともに使えることが紹介されています。
- 結論:対応音声の文章はカスタマイズできる
- 結論の解説:実績のあるライターがあなたのビジネスに合った文章を作成します。
結論としては、音声文章はカスタマイズできるという事が書かれており、その詳細は実績のあるライターが文章作成の手助けをしてくれるという詳細が書かれてあります。
4.Multilingual Voice Production(結論) – For those with a multilingual customer base, we offer service in wide range of languages.(結論の詳細)
- 結論:多言語での対応が可能である。
- 結論の解説:多言語の顧客基盤をお持ちの皆様のために、幅広い言語を取り扱っております。
結論としては多言語対応が可能であること、後半は同じような文章の言い換えともとれますが、より詳しく説明しているという文章になります。
- 結論:記載のメールアドレスに先方の連絡先と希望の仕様をお伝えださい。
- 結論の詳細:代表が24時間以内に連絡し、企画案の相談及び、予算の概略を説明いたします。
パラグラフ6は、この文章では文書としての結論というより連絡先などの詳細連絡となっております。ビジネス文章においても、最後に連絡先や注意事項が記載されている場合が多いです。
勿論例外はありますが、このように、文章全体で見ても、各パラグラフ内で見ても、最も重要な結論が先に来て、その後、結論の詳細が書かれている事が大半です。
TOEIC過去問内容の、その後の返信メールの内容も同様の構成であり、最も重要な結論が先に書かれており、その後結論の詳細が書かれている文章構成となっています。
- 広告を新聞で見て、あなたの会社のサービスを取り入れたい(結論)
- 自社で顧客に対するプロ仕様のボイスメールによる挨拶を探している(詳細1)
- 例文作成及び録音を任せることは可能か?どの程度でこちらに届くか知りたい。(詳細2)
- 英語とスペイン語の顧客を抱えているので両言語での録音をお願いしたい(詳細3)
- 午前10時から午後5時の範囲で私の携帯電話に連絡をいただきたい(詳細4)
文章への書き込み
ここまで紹介した文章の構成などを理解した上で、長文を読み進めても、最初の方に読んだ内容は忘れていることが多いです。
その為、自分でルールを作り、斜線や記号を入れながら長文を読み進めていきましょう。
特に、注意し斜線などを入れた方が良いポイントは下記のような文章です。
- 結論が書いてある部分
- 重要な文章
- 答えになりそうな文章
このようにすることによって、実際に回答するときに、どこに回答となりうる文章があるのか、すぐに見つけることが出来ます。
間違った学習方法
ここまでは、英語の長文読解のコツを紹介してきました。
ここからは、良く紹介されている誤った学習方法を紹介しますので、当てはまっていないか確認しながら読み進めてください。
英単語を沢山覚える
確かに英単語を覚えれば、文章の意味は分かるようになるが、読解スピードが上がるわけではありません。また、出てくる全ての英単語を覚えることはできないので、効率の悪い学習方法といえるでしょう。
また、文脈によって、同じ単語でも意味が異なる使い方も多く、その文章がビジネス文章なのか、それとも大学の講義なのか、その文章の背景によってこの単語しってるけど、なぜか文章が読めないなんてことになってしまう場合があります。
単語には引っ張られずに、文章、パラグラフの意味を理解することを意識しましょう。
精読
分からない単語を全て調べて読んでいく精読を行っても、読解力は身につきません。本番で分からない単語が出てきた時点で、その文章を理解することはできないでしょう。
まずは分からなくても読んで、前後の文章で予想することが重要です。
勿論、精読を行うことで得られるスキルもありますが、長文読解を目標とするのであれば、多読の方が圧倒的に効果を発揮します。
多読について興味のある方は下記記事を参考にしてください。
関連記事:【4ヶ月で成果】みんな勘違いしている英語の多読法!実体験を元に紹介
長文読解の学習方法
長文読解の一番の近道は沢山の英文を読むことです。
多読を行うのですが、分からないものを分からないままにすると意味がないので、まずは多読を行い、その後分からなかった部分の復習を行う事を忘れないでください。
長文読解用の参考書を使うと効率的ですが、既に参考書を持っている方は買い足す必要はないので、持っている参考書をコンプリートしましょう。持っていない方は、下記記事で参考書の選び方と、おすすめの参考書を紹介しているので、参考にしてください。
関連記事:英語長文参考書の選び方とおすすめ5選!大学受験に備えよう
既に参考書を使って学習している方であれば、無料で読める英語ニュースサイトなんかも便利です。試験問題はニュースや新聞なんかの記事を使う事も多いですし、仕事でもニュースで出てくるような英語は活用できます。
関連記事:無料のおすすめ英語ニュースサイト11選!学習方法も併せて紹介
まとめ
英文の読解力を上げたい場合、単語や文法の勉強は大事ですが、もっと大事なことは文章の作りを理解することです。
文章はパラグラフで構成されています。
パラグラフとは何なのか。ここをしっかりと理解しましょう。
上記に述べたようにパラグラフには話題は一つです。そして、その話題の説明や詳細が後に続いていきます。
多読や英語ニュースの学習を通して一歩づつ、読解量を上げていきましょう。