- 英語ってなかなか上達しない。
- 新しい単語帳を買って暗記したのに、成績が思うように伸びない。
- 英語の文章を読もうとしても、時間がかかってしまい、飽きてしまう。
- TOEICなどの資格試験のリーディングのスコアを上げたい。
こんな悩みを抱え、英語の多読学習に興味を持った方、気を付けてください。
英語はただただ漠然と勉強しても身に付きません。では、英語を学習する上で大事なことは何か?
それは達成したい目的を明確に持ち、正しい方法で学習を継続することです。
万能と思われがちな多読学習法にもデメリットはあり、良い面だけでなく悪い面も理解した上で、正しい学習方法を実践しないと効果が得られません。
この記事では4ヶ月の多読学習実践後、効果を実感した筆者が、そのデメリットと共に、正しい学習方法を紹介します。良く紹介されているやり方は、間違えている部分も多いので、注意してご覧ください。
英語の多読学習法とは?
多読という学習方法を実行していくうえでは、多読と精読という2つの学習方法の違いをしっかり理解することが第一です。
多読学習法とは、英文のリーディングの数をこなしていく「量」の視点からリーディングスキルを上げる勉強法です。簡単に言うと、沢山の英語文章を読みまくる学習方法です。
一方精読とは、英文リーディングの「質」を高めていく勉強法であり、一つ一つの文章を正確に読み取っていく学習方法です。簡単に言うと、分からない単語一つ一つに辞書を使い、完璧に文章を理解しながら読んでいく学習方法です。
この多読と精読では学習方法と身につくスキルが変わっていきます。
自分の求める向上したいスキルによって、多読と精読を使い分けるようにしましょう。
今回は多読学習を詳しく紹介します。
正しい英語の多読学習方法
英語の多読学習をすすめるときに重要なことは進め方です。これを間違うと多読をしても意味がないく、多読学習をしたつもりになって沢山の本を読んでも、英語のスキルが上がらないなんてことになってしまいます。やり方だけは間違えないようにしましょう。
意識する点は2点です。
一つは、多読の三原則を守る、もう一つは目標設定を明確に持つことです。
多読には三つの原則があります。一つずつ見ていきましょう。
- 辞書は引かない
- わからないところは読み飛ばす
- おもしろくない本は投げる(物理的に)
原則1:辞書は引かない
辞書を引かないと読めないじゃん!って思ってるあなた。多読の認識が間違っています。
辞書を引きながら進めないと理解できない本は読まないでください。
辞書を引かないというのは、自分に合ったレベルの書籍を選ぶということです。
自分のレベルのなんとなくの確認は以下の流れでやってください。
中学校1年の英語の教科書を読む
↓
高校1年の英語の教科書を読む
↓
児童向けの洋書を読む
↓
映画化されたものの原書を読む(映画を見て内容理解がある前提)
↓
自分の好きなジャンルの洋書(推理小説、恋愛小説、ビジネス本など)
上記の順で読んでみて、辞書なしで読んで内容が理解できるものが自分に適したレベルの書籍です。その書籍のレベルを読み進めていきましょう。
英語初心者の方は絵本から始めましょうという意見を良く目にしますが、正直絵本レベルの本で多読を行ってもあまり期待する効果は得られません。
英語初心者の場合は、そもそも多読ではなく、別の学習方法の方が効率よく成果を出せるでしょう。
原則2:分からないところは読み飛ばす。
筆者が高校生の時に夏目漱石の本を読んでいた際、たくさんの読めない漢字がでてきました。
箪笥、炬燵などなど。
これらを毎回辞書を引きながら読みますか?読みませんよね。
多少の分からない単語があっても、文章は読み進めることができ、理解できるものです。
分からない単語はすぐ調べる。これは精読であって、多読ではありません。
多読を意識して進める際はわからない単語は読み飛ばす、分からなくていいです。
原則3:おもしろくない本は投げる。
投げるとは比喩ではなく物理的にです。図書館で借りた本は投げないでください。
筆者の場合はkindle unlimitedという月額サービスを利用しているので、おもしろくない本は5分ほど読んだらすぐに返却します。
おもしろくない本でも勉強の為と思って頑張って読む。こんなこと考えていたら絶対多読は進みません。
以前に「ダヴィンチコード」という推理小説が流行りましたが、当時その本を読んだ私はおもしろくて途中でやめることができず、徹夜をして上下巻を一日で読み終わってしまいました。
一日で終わるなんてすごいって思った方もいるかもしれませんが、そんなおもしろい本にあたるまで、私は数えきれない本を投げてます。
明確な目標設定
以上の三原則をしっかり守った上で、次に目標設定です。
多読ですから、多くの本を読まないといけないのですが、どれぐらい読まないといけないのか、これは個人差があります。
一般的に効果が見込めるのは100万語(単語数)と言われています。
これはあくまで遠くの設定として、まず、1000単語、1万単語を目指してください。
1万単語よめれば、そこから10万は目指さずに一気に100万を目指してください。
100万語って途方もないようにおもうかもしれません。
途方もないです。
でも読み進める中でブレイクスルーが起こります。
好きな小説の作家とかにであったり、自分の仕事や興味にマッチした本に出合うと爆発的に単語数は増えます。いきなりゴールを目指さず、こつこつと進んでいきましょう。
ここまで読んで嫌になった方。安心してください。多読にはそれなりのメリットもありす。
多読学習のメリット
ここまで、多読とは何かを説明してきましたが、次は多読のメリットを解説していきます。
多読学習を正しく続けるとまず、英語を英語で理解することができるようになります。
日本人は、英語学習を進めるとどうしても、頭の中で日本語変換してしまう癖がついているのですが、多読をすることによって日本語変換の癖がなくなっていきます。
そして、英語を英語としてそのまま理解できるようになってききます。
シンプルな例は thank you とか good morningとか日本語変換しなくても分かりますよね?どんどんその感覚が増えていきます。
多読学習を正しく続けると、ネイティブの様に、英語を英語の語順で理解できるようになっていきます。
どうしても日本語で学習してきた経験で、後ろから訳す癖があるのですが、三原則をきちんと守りながら多読学習を進めると、何度も文章の先頭に戻って訳するという流れは捨て、分からないところは読み飛ばすことを続けることになるので、自然に英語の語順で読めるようになります。
これは精読では得られないスキルです。
多読学習を続けると、何度も同じ単語や文法と出会うことになるので、意識していなくても自然に単語や文法の知識が増えていきます。
学校で例えれば、毎日顔を合わせる友達やクラスメイトの名前や性格などの情報は、意識していなくても自然に増えていきますよね。
仕事でも一年に一度しか会わない取引先の相手の名前や顔、性格は覚えられなくても、同僚の顔や性格は覚えていきますよね。それと同様です。
副次的な効果ですが、多読を進めることで、リーディング以外の技能も向上していきます。
言語というのうはリーディングやリスニングの技能などがそれぞれ独立しているのもではなく、どこかの技能が上がればその他の技能も上がる関係性にあります。
スピーキングやリスニングにおいても、どうしても学習の壁となる単語や文法の理解が進むので、その分その他の技能も向上していきます。
多読のデメリット
ここまで、さんざん多読のメリットを紹介してきましたが、もちろんデメリットもあります。デメリットも理解したうえで、多読がいいなと思う人は今日から多読を進めてください。
多読は文字通り、多くの本を読む必要があります。
そもそも読書が好きではない人には向いていません。それなりの時間も必要とするので、あと一か月後に試験がある、なんて方には適切な勉強とは言えないでしょう。
また、自分のレベルがどの程度なのか、自分に合ったレベルの本はどのようなものがあるのか、選定するのが難しいという点もあります。
自分のレベルに合わない本をがんばって読んでしまうと、多読は進まないですし、多読の効果を感じる前に挫折することになってしまいます。
また、100万語程度の文章を読んで初めて効果が表れる。
10000語をクリアした、洋書を10冊読んだなどの程度で飛躍的に英語力がアップするというわけでもないので、ある程度、長期的に取り組む必要があります。
実際に多読は効果あるのか?
大きなメリットがある反面、興味のない洋書の中から、自分に合った本を選び出し、読まないといけない多読ですが、本当に効果があるのでしょうか?
その点を筆者の体験について具体的な話をしていきたいと思います。
3年間、海外の専門学校に通っていた時の話です。(オーストラリア)
最後の1年間は授業への出席が少ない分、2週間に1回、量で言うとA4用紙10ページ分ぐらいの課題の提出が必要でした。それもビジネス関係の学校だったので、専門知識や専門用語が多用され、結構大変な内容です。
その課題をパスするためには、課題作成以前に、膨大な量の問題文の読み込みと、教科書の読み込みが必要でした。
仕事をしながら学校に通っていたため、全ての問題文と教科書内容を完璧に理解する時間はなかったので、とりあえず正確に分からなくてもある程度の理解で教科書を読み進め、課題の作成を続けていました。自然と多読をしていたという事ですね。
当時の筆者は、他の生徒に比べても、英語が出来る方ではなかったのですが、4ヶ月後には良く出てくる単語や文章などを中心に、大幅に英語の理解力が上がっており、教科書を読むスピードも実感するレベルで上がっていました。
こういった実体験から、筆者は多読学習の効果は大きいと考えます。
しかし、筆者の場合、たまたま教科書が自分のレベルに合った英語力であり、尚且つ、好き嫌いに関係なく、やらなくてはいけない環境だった為、できた事だと思います。
本来なら、教科書ではなく自分のレベルに合った本を自分で見つけ、内容が分からなくてもモチベーションを保ち読み続け、沢山の本の購入にお金を払わなければいけません。
ここまで読んで、それでも多読を試してみたいと思う人へ、下記の学習方法をお勧めします。
英語の多読学習おすすめ方法
ニュースサイトを使う
インターネット上のニュースサイトを使っての多読もお勧めです。
三原則で話したとおり、おもしろくない本は投げる(物理的)べきなのですが、せっかく買った本だからとか、物は大切にしましょうとか、それぞれいろいろな思いが出てきがちなのですが、ニュースサイトであれば、興味がなければ閉じればいいだけです。
しかも、全て無料です。
ニュース内で使用される英語は、日常的に使う英語も多く、洋書で出てくる単語の様に、覚えても使う場面がないという事も起こりずらいです。
詳しく知りたい方はニュースについてまとめた記事のリンクをはっておきますので、こちらを参考にしてみてください。
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英語の参考書
現在TOEICなどの資格試験の勉強をしている方であれば、参考書自体を英語の物に変えるのもお勧めです。
英語で英語を学んで理解できるのかと思うかもしれませんが、文法書でも難しいレベルの文法書と簡単なレベルの文法書があります。
簡単なレベルの文法書であれば、中学、高校の基礎知識があれば、これはこれのことをいっているんだなと自然に理解が進むでしょう。
お勧めは『Teach yourself』のシリーズがお勧めです。
以上多読の説明をしてきましたが、多読は長い道のりです。
長い道のりではありますが、急がば回れという言葉があるように英語のスキルを上げたいというのであれば、多読という選択肢も考慮にいれるといいかなと思います。
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