みなさんは「英語を身につけるには、常に英語を使う環境が大事」というような言葉を聞いたことはないでしょうか。
確かに、言い分に筋は通っているでしょう。
公用語が日本語である日本では、英語で実際に会話をする機会は非常に少ないので、どれほど英語を勉強し知識を頭に詰め込んでいても、英語が話せる、という状態には到達しがたいです。
一方で、海外留学や、ワーホリ、長期の海外旅行などは気軽にはできません。
お金もかかるし、準備にだって膨大な時間がかかります。
そこで、今回は、英語を使う環境に身を投じることで、英会話スキルをアップしたい。でも、仕事や勉強に追われて忙しいし、金銭的にも海外は……という方に向けて、ちょっと変わった方法を紹介します。
それは、「国内旅行で英語を磨く」ことです。
国内旅行で英語を磨けるのか?
もちろん英語圏の国へ飛び込んでしまうのが理想ですし、それに比べれば今回紹介する方法は効果の面でもさすがに見劣りします。
しかし、いくつかのポイントを押さえることで、国内にいながら、英語を話す環境に飛び込むことができます。
- 低コスト
- 時差ボケなし
- パスポート不要
行き先
行き先を選ぶにあたっては、以下のポイントが含まれている場所をお薦めします。
- 外国人観光客が多く訪れる観光名所であること
- 自分があまり詳しくないところ
おそらく、京都、奈良、大阪、箱根、東京、金沢、などが浮かぶのではないかと思います。
特に京都は外国人観光客の多さからおすすめです。
この記事でも、具体例を挙げる際は京都での筆者の体験をもとに書いていきます。
旅行先でのポイント
ここからが本題です。旅行先で訪日観光客の人と交流する機会を増やせる工夫を紹介していきます。
宿泊施設
宿泊施設ですが、予算に関わらず、ゲストハウスのドミトリーに宿泊するのがおすすめです。
外国人観光客は、それぞれニーズに合わせて様々な宿泊施設に泊まっているので、どこに泊まろうが訪日観光客を見かけます。
しかし、ホテルや旅館と違い、ゲストハウスは、良くも悪くも、他のゲスト、特に同室の旅行客と協力しなければ快適に過ごせません。
共用のシャワーやランドリーを使う時間を調整したり、部屋にベッドしかないのでみんなロビーに出てきてくつろいだり、人が交流する場が生まれやすい点がゲストハウスの特徴です。
ルームメイトや、ロビーにいる訪日観光客と会話するチャンスをものにしましょう。
ホストにならない
2つ目のポイントは、日本人として外国人に対し、ホストの立場を取らないことです。
旅行中はあくまでゲストとして、この町を楽しみに来たんだ、という立場を貫きましょう。自分が日本について何か伝えなくては、という気持ちで会話に臨むと、糸口が掴みにくくなります。
むしろこの町の情報を教えてもらう気持ちで、自分からどんどん尋ねていく方が、会話が円滑に進んでいくでしょう。
交流のきっかけになりやすい場所
交流のきっかけになりやすい場所や状況を紹介していきます。
写真
写真を撮ろうか申し出るのも会話のきっかけになります。
カメラを返す際や、写真の構図の話をする際に二言三言、会話を挟みたいところです。
ただ、執拗に申し出ることは辞めましょう。
日本人は自分が思っているほど信用されていません。カメラを預けたがらない訪日観光客もいます。断られたら、スマートに身を引きましょう。
バスの待ち時間
これは特に京都に関係しますが、バスでの待ち時間、隣に訪日観光客が並んでいたら、ぜひ試してほしいことがあります。
それは、「これ~~の方に行くバスであってますかね」です。
観光名所の名前を出してバスの行き先を確認しましょう。
目的の観光スポットの名前を出すと、その観光スポットにも話が及び、話題が膨らみやすいです。
ただ、これもしつこくならないように気を付けましょう。
バスでも無理に近くに乗り話を続けたり、降りた先でも同行しようとするのはもはや不審者です。切りのいい所で会話を止め、身を引きましょう。
大事なのは引き際です。
スタンドバー、飲み屋
お酒が入る場所で、パブやスタンドバー(席がないバー)など席に客が固定されてしまわないお店は非常にお薦めです。
立ち歩いて会話に入ることができるので、席が固定されてしまう飲食店よりも会話が生まれやすい場と言えるでしょう。
アイリッシュ・ブリティッシュパブは主要な都市であれば見つけやすいでしょうし、京都では価格帯の低く入りやすいスタンドバーがあります(記事の最後で改めて紹介します)ので、そちらも試していただきたいです。
会話に入るコツとしては、訪日観光客と日本人の会話の通訳に入る(筆者はバーテンさんとアメリカ人の観光客の方の通訳をきっかけに、ウイスキーの話で盛り上がりました)、飲んでいるお酒について尋ねてみる、といった方法があるでしょう。
終わりに・心構え
これまで、海外留学ならぬ国内留学を実現するための工夫を紹介してきました。
しかし、何にもおいて重要なのは、怖がらずに積極的に英語で話しかけることです。
そうしなければ、せっかくの英語を鍛えるチャンスが、ふいになってしまいます。
結局は本人の意識の持ちようなので、一度、観光地にたどり着いたら、目的意識を強く持って旅程を進んでいきましょう。
おまけ。便利なフレーズ。旅先の小技まとめ。
May I take a picture (including all of you)? →写真お取りしましょうか?カッコ以下をつけると、皆さん全員の、という意味になります。家族写真を撮る父がアルバムに不在、ということはままあるので、このフレーズは効きます。
Is the next bus bound for~~(right)? /The next bus is bound for~~, isn’t it? どちらも、このバスって~~行きですよね?という意味です。バスは電車に置き換えても使えます。
Did find somewhere(something) interesting today? How did you get to there? →なにか面白いとこ(もの)あった? どうやってそこまで行ったの? 夜、宿で尋ねてみたいフレーズです。
京都のスタンドバー、『お酒の美術館』京都市内に複数店舗あります。安いし、高級酒が置いてある、怪物級のスタンドバー
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