ここ数年、海外からの訪日観光客(いわゆるインバウンド)が急激に増加しています。
飲食店で働く方や、オーナーとしてスタッフを雇いながらお店を経営している方にとっては、こういったお客様の増加は喜ばしいことであると思います。
一方で、インバウンドのお客様について、英語での接客に苦心されている方もいるかと思います。
今回はそんな方々に向けて、英語が得意じゃなくてもインバウンドのお客様に充分にお店を楽しんでもらい、トラブルを回避するためのコミュニケーション上のコツをいくつか紹介したいと思います。
この記事では現在8年間海外に住んでいるぼくが、実際に使う正しい接客の英語を紹介していきますので、是非参考にしてください。
最後にテンプレートをいくつか紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
まず、いきなり結論ですが、英語がペラペラじゃなくても訪日観光客の接客は大丈夫です。
ですが、これから説明するポイントにだけ注意してください。
また、今回の記事で紹介するフレーズの正しい発音方法が分からない場合は下記の読み上げサイトなどを活用してください。
関連記事:完全無料、英語の読み上げおすすめサイト紹介!リスニングの学習にも便利
接客英語は丸暗記でOK
スピーキングは自分で英文を考えるため負担に感じる方も多いかと思います。
しかし、飲食店などでこちらからインバウンドのお客様に英語で何かお伝えする分には、身構えることもありません。
あらかじめ、フレーズを作って、従業員内で共有しておけば済みます。
飲食店で、自発的にお客様に伝える内容は、お店である程度統一されているはずです。
- 挨拶
- 注意事項
- 席時間の終了
- ラストオーダーの呼びかけ
上記のような形で、一連の接客の中で必ず使っている文章には予め英訳版を用意してしまいましょう。
あとは暗記したフレーズをはっきりと大きめの声で言えば大丈夫です。
接客英語は聞き覚えのある単語から推測
同一のお店で働いる限り接客時にお客様から尋ねられるのは殆ど「よくあるご質問」だと思います。
それは海外からのお客様でも同じことです。
接客時に日本人のお客様から頻繁に受ける質問を集め、その答えの英訳を要しましょう。
英語での質問を聞き取れるか?ですが、とっかかりとなる単語が聞き取れれば何とかなる場合が多いです。
例: Can I use credit card here?の場合、全文が聞き取れなくてもクレジットカードという部分を聞き取ることは難しくないでしょう
自信がない場合は、予想している質問の内容を聞き返してみましょう。
さきほどの例でいえば、Credit card?と聞き返し相手の反応を見ることができるはずです。
ただ、日本人のお客様からあまり尋ねられない質問もあります。
そういった英語接客時の質問の例を記事の最後に載せておきますのでチェックしてみてください。
接客時お客様にはYesとNoだけ言ってもらう
英語での接客時、聞き覚えのないことを聞かれている、という場合の対応の仕方についてです。
アキネイターのように、できるだけこちらからYes/Noクエスチョンで質問し、相手の伝えたいことに近づいていきましょう。
相手の英語が一向に理解できない、それも長めのセンテンスである場合、わずかでも聞き取れた単語と、状況から推測して、店員側から(たとえ拙い英語であっても)話を進めていたほうが解決に近づきます。
こういった際に使える、相手からYes/Noで答えを得るための英語接客時の質問フレーズも記事の最後に紹介しておきます。
英語接客時、わからなかったら曖昧にせず聞き返す。
接客時に相手の英語がわからなかったら遠慮せずに聞き返しましょう。
誠実な態度で尋ねれば、平易な表現で身振りを交えて言い直してくれます。
英語接客時に聞き返すためのフレーズも以下にまとめているのでチェックしてみてください。
わからなかったら微笑んで済ませてしまうのは厳禁です。
英語がわからないと逃げたくなることもありますが、微笑んで曖昧にしておいた点で齟齬が生じた場合、英語が堪能なスタッフ無しでそのトラブルを解決するのは容易ではありません。
日本人は特にこれをするので、注意してください。
後で大ごとにならないように、違和感を覚えたり、わからなかった部分は、勇気をもってその場で確認しましょう。
英語での接客で、覚えておきたいお役立ちフレーズ
それでは実際によく出る英語を紹介していきます。
完全に丸暗記するだけでも接客時に英語で話しかけられたときに対応できるようになると思います。
英語接客時に海外のお客様に多い質問、リクエスト
Does it include(contain)○○
これは○○を含んでいますか
○○の部分には食材などが入ることが多く、アレルギーを心配されているお客様からの質問です。
答え方はYes/Noでも大丈夫です。
場合によっては生命にかかわることなのでしっかり確認し、はっきりと答えましょう。
Without ice
氷抜きで
中国系のお客様から多い要望です。身体を冷やすのがご法度である文化なのだとか。
注意すべきはWith iceとの混同です。
わからなかったらNo ice?と聞き返すとはっきりするでしょう。
英語接客時にYes/Noクエスチョンを差し向けたいとき
Do you mean (that)○○?
○○ということですか?
thatを言わずに間をあけるだけでも通じます。
その先は通常の文章、例えばyou’d like to get a paint of beerなどと続けましょう。
Do you meanの部分をはっきり切り出すことで、注目をひき、こちらの言葉を待ってもらうことができます。
So, could we○○(相手が要望しているらしきこと)?
では、○○させていただくということでよろしいでしょうか?
こちらもSoをはっきりいうことで発言権を握りましょう。
また英語に自信がない場合には、could weまで言ってからペースダウンしても大丈夫です。
聞き返し用フレーズ
Sorry? もしくはExcuse me?
すみません
一番簡単な聞き方です。
日本語に直訳すると難しいですが、何か話した後にSorry?やExcuse me?と言われると、『すみません、もう一度お願いします』みたいな意味になります。
日本語の『すみません』と同様、色々な意味があり便利ですので、接客業で聞き返したいときはSorryよりも丁寧なExcuse meを使えば間違いないです。
Could you repeat(more slowly)?
(ゆっくりと)言い直していただけますか?
()内はなくても大丈夫ですが、ここまで言えると楽でしょう。末尾にPleaseをつけると丁寧な印象になります。
Could you tell me once again?
もう一度仰っていただけますか?
かなり丁寧な言い回しです。なかなか聞き取れなかったときに使いましょう。
これもうしろにPleaseをつければ丁寧にはなりますが、ややくどい印象になりかねません。
おわりに
いかがだったでしょうか?
英語接客時にもっとも大切なことは、分からないことをあいまいにせず、はっきりと言うことです。
日本に来ている外国人なので、それなりにゆっくり話したり分かりやすく聞いてきたりするので、少しフレーズを丸暗記するだけで英語での接客は対応可能になるでしょう。
また、今回紹介したフレーズの正しい発音方法が分からない場合は下記の記事で紹介している無料の読み上げサイトなどを活用してください。