「海外留学に行ってみたい」「外国に住んで、働いてみたい」そんな夢を持つ人たちの大きなハードルとなるのがビザの申請です。
IELTSのスコアは、ビザの申請をする際に英語力の証明として使用することができます。
この記事では、学生ビザ、就労ビザ、永住権ビザに必要なIELTSスコアの目安についてまとめました。
学生ビザに必要なIELTSスコアはいくつ?
海外の大学や大学院に留学・進学する際に使われるIELTSは「アカデミック・モジュール」です。
ここでは、各国の学生ビザ取得に必要なIELTSスコアをまとめました。
【イギリス】
イギリスに来る際に求められるIELTSのスコアは4.0~6.5程度と言われています。語学留学なら4.0~、大学への留学や進学では6.0~、大学院では6.5~となります。
(※参考 london-ryugaku.com ロンドン留学センターIELTS/アイエルツ)
【カナダ】
カナダの大学やカレッジなどの教育機関では、6.0~6.5、大学院では7.0~となっています。
大学への入学は、大卒者か高卒者か(最終学歴)、専攻などによって必要スコアが異なるため、志望先の入学基準を確認するようにしましょう。
(※参考 bnwjp.com カナダ最大留学エージェントBRAND NEW WAY 英語スコア換算)
【アメリカ】
アメリカへの留学と言えばTOEFLが重要視されるイメージですが、最近ではIELTSのスコアを受け入れる大学も多くなりました。すでに2015年の時点で、3000以上もの機関でIELTSのスコア認定をしています。
アメリカの大学へ留学するなら、最低でも5.5~のスコアが必要です。7.0~あれば基本的にほとんどの大学へ出願できますが、コロンビア大学では専攻によって8.0~となっています。
(※参考 schoolwith.me 留学Blog アメリカ留学でIELTSスコアは使える?)
【オーストラリア】
オーストラリアでは、専門学校への入学基準として5.0~5.5(入学基準としてIELTSスコアを必要としない学校もある)、大学で6.0~7.0(必須)、大学院で6.5~7.5が必要です。
同じ学校でも、専攻や学部によって必要スコアが変わる場合があります。
(※参考 wavenetwork.com.auオーストラリア留学センター IELTSとは)
ここでご紹介したスコアは目安であり、今後変更になる場合も考えられるので、希望する留学先のビザ事情は必ず把握しておきましょう。
就労ビザや永住権ビザに必要なIELTSのスコアはいくつ?
海外移住の申請にIELTSスコアが必要となる主要な国は、イギリス、カナダ、オーストラリアなどが挙げられます。
一般的に、英語圏で学業以外の研修を受ける場合や、オーストラリア、カナダなどへの移住を考えている人が申請する場合に受験するIELTSのテストは「ジェネラル・モジュール」です。
オーストラリアで永住権を取るのに必要なスコアは6.0~です。
専門性が高い職業では7.0~のスコアを求められる場合もあるので、自分の取得したいビザの要件をよく確認しておきましょう。就労ビザは概ね5.0~となっていますが、就職の際に企業が求めるスコアは会社ごとに異なります。
カナダに移住や永住を希望する場合は、高い英語力が求められます。
一般的に永住権を取得するために必要となるIELTSスコアは6.5~です。
なお、アメリカの永住権(グリーンカード)を取得して移住する場合、IELTSスコアは必須ではありません。
(※参考 ielts.jp IELTSスコアアップ対策のオンライン校Plus One Point 海外移住・永住権と切っても切り離せないIELTS )
イギリスでは、取得するビザによって細かくIELTSのスコアが定められています。
例えば、起業家や一般ビザでは4.0~、宗教活動家ビザは5.5~となっています。
英国へ移住する際は、IELTS for UKVI の受験が必要です。
英国ビザ申請用の「IELTS for UKVI 」って何?
IELTSには大きく分けて2つの種類があります。
IELTS自体が複雑な試験構造をしているので、ここで一度整理してみます。
IELTS試験は、通常のIELTSと英国ビザ申請用のIELTS(以下、IELTS for UKVI)の2つに分けられます。
さらに、通常のIELTSは2種類にわかれます。
それが上記で紹介した、「アカデミック・モジュール」と「ジェネラル・モジュール」です。
一方、IELTS for UKVIには4つの種類があります、
- IELTS Academic for UK Visas and Immigration
イギリスの学士号や修士号取得を目的とする人向け - IELTS General Training for UK Visas and immigration
⇒英国への移住や学士号未満の職業訓練・勉強を予定している人向け - IELTS Life Skills A1
⇒扶養家族ビザや配偶者ビザ、パートナービザを申請する人向け - IELTS Life Skills B1
⇒永住権および市民権の申請のために、特にスピーキングとリスニングの英語証明が必要な人向け
(※参考 london-ryugaku.comロンドン留学センター IELTS/アイエルツ)
ビザ申請でIELTS for UKVIを求められたときは、英国政府入国管理担当局で承認された特定のテスト会場での受験が必要です。
日本では、ブリティッシュカウンシルのホームページ(britishcouncil.jp)から試験への申し込みができます。
申請時に、どの試験に申し込むか選択しなければならないため、受け入れ先の機関がどのIELTSの結果を求めているか確認してください。
仮に間違って申し込みをしても、返金や変更対応は不可となっています。
また、申し込みには受験日に有効なパスポートが必要のため、あらかじめ手元に用意しておきましょう。
<まとめ>
- IELTSには種類が複数あり、自分の目的に合った試験を選ぶ必要がある
- 主に留学には「アカデミック・モジュール」、移住には「ジェネラル・モジュール」のスコアが求められる
- イギリスの場合は、通常のIELTSではなくIELTS for UKVIを受験する
IELTSは試験構造がやや分かりづらく、自分がどの試験を受ければよいか混乱してしまう人もいるでしょう。
そのため、英語力を試すためにIELTSをいきなり受験するよりも、自分の目的や希望の国・学校が求める要件に従って受験する試験を決めると良いでしょう。