5文型って、分けられれば楽だし読みやすくなる。でも実際SV振らなくても読めはするし、単語の意味わからない時は頑張っても無理だ…
そう思っている方、いますよね?
それもそのはず。
みなさんは一般的に高校生で5文型を最初に学びますが、SVOCの振り分け方と何が第何文型ということを丸々暗記して終わっているだけなのです。
確かに、振り分けられると文は読みやすくなりますが、「そもそも単語の意味、特に動詞の意味がわからないと文の大意なんて掴めないよ」って思う方も多いはず。
でも、実はそんなことはないんです!!
5文型の本当の特徴を理解し、活用できるようになれば、動詞の意味がわからなくても推測できたり、文の意味がわかるようになります。
そうすることで、読んでいる最中でつっかえることがなくなり、より速く且つ正確に読解を進めることができるのです。
ここで本質を理解出来れば、TOEICや英検などの読解パートの時短や、さらには英作文をすることにも役に立ち、総合的に英語力UPに繋がります。
私も本質を理解してから、英検2級以上の難しい文章などを読むことが可能になりました。
また、英語のルールを知ることができ、イチからより深く英語を理解できます。
なぜ5文型が役に立つ?
そもそも、「なぜ5文型が役に立つの?」と思いますよね。
結論から言うと、英語というのは「語順が命」だからなんです。
言い換えれば、語順によって、文の意味は決まっているとも言えます。
例えば、以前私はこんな文章に遭遇し、固まったことがあります。
Could you spare me a moment? I have something to talk to you about.
実はこの始めの一文、文型の特徴を知っていれば、あとの文章との関係で文脈判断しなくても、spareの意味がイマイチでもわかるものなのです。
そのくらい、文型は便利なものなのです。
まず、spareの意味は、動詞だと「余す」が代表的なところです。
他にも「割く」という意味がありますが、「余す」のほうがみなさんパッと出やすいと思います。
そうすると、どうなるかというと、「私に少し時間を余してくれませんか。」という風になります。
昔の私はこの文の意味がすぐにわかりませんでした。
そこで、後ろに書いてある文を読むと、「あなたに話すことがあるんだ」と言っていますので、「あ、時間がほしいのだな」と予測しました。
これでもギリギリでした。
確かに、前後の関係で意味を推測することは大事ですし、それができるのは良いことです。
ましてや、「割く」の意味を覚えている人はなおさら良いです。
でも、英単語には様々な意味があったり、それこそ単語量が多すぎて、難しい単語まで覚えられていない。
そんな状況で、英検やTOEICなどの英文を読むとなったら、多くの人はわからない単語が来た瞬間に立ち止まり、時間が足らず、読めなかった…。となるでしょう。
そんな困難な状況を助けてくれるのが、この5文型なのです。
先ほども言いましたが、「英語は語順が命」、「語順によって意味が決まる」ものです。(もちろん例外はあります。)
今回のこの英文にSVを振ると下記のようにSVOOの第4文型になります。
Could you(S) spare(V) me(O) a moment(O)?
実は、第4文型は「与える」という意味になる文型なのです。
だから、そもそも第4文型にはgiveや、知識を「与える」というteachなどが代表的になるのは当たり前なのです。
だから、次の文も、単語の意味にとらわれると難しく感じますが、文型の本質を知っていると楽に感じるはずです。
He got me a taxi.
Getは「得る」という意味が一番知られている意味ですが、そのまま訳すと、彼は得たのかな?と勘違いしそうです。
しかし、これも第4文型なので、「得る」ではなく「与える」という意味であるとわかれば、「彼は私にタクシーを拾ってくれた」となります。
やはり、簡単な単語ばかり並んでいても、多くの日本人の英語学習者は意味をとらえ間違えることが多いので、文型の特徴を知っていると便利ですね!
まだまだ第4文型しかやっていないので、他のも見てみましょう。
5文型の特徴紹介
では、ここからは先ほどの第4文型の時のように、具体例と特徴を記していきます。
第1文型:SVM
I made for home.
さぁ、みなさんこの文はどうですか?
まさか、「私は~のために作った」とはならないな、と予測はつきましたか??
そうです。
今回の文にはmakeの代表的意味である「作る」は出てきません。
では、このSVMの第1文型はどのような意味になるのでしょうか。
実は、第1文型は、「存在」や「移動」の意味になりやすいのです。(例外はあります。)
だから、今回の文の意味は「私は家に向かった」という風になります。
Makeは他動詞の用法で使われることのほうが多く、第4文型や第5文型などで使われることが一般的ですが、このように自動詞で使われることもあるんですね。(ちなみに、一般的には動詞には自動詞用法も他動詞用法もあります。辞書では、より多く使われる用法が先に出てくるだけです。)
他にも、みなさんが見たことある文だと、She lived in Tokyo.やI just moved to a new house.なども、「存在」や「移動」になっています。
ちなみに、「~があります、~がいます」などで知られているThere構文と呼ばれるものがありますが、それも実は第1文型で、SVMという形が倒置しただけなのです。
そうなれば、「存在」の意味になるのも当然ですよね!?
第2文型:SVC
When everyone else was in a panic, she remained calm. 「他のみんなが慌てていた頃、彼女は冷静だった。」
今回は、カンマの後ろの文に注目します。
Remainというのは「~のままである」という意味であるのはわかる人が多いと思います。
ただ、これが自動詞か他動詞かと見極められる人が多いかと言われると、そんなことないのが現実です。
Remainは自動詞です。 なので後ろには修飾語句か補語が来ます。 補語というのは、名詞(句)か形容詞(句)が慣れるものです。
そして第2文型の最大の特徴は、「主語と動詞の後ろにある単語(補語)が意味的にイコール関係であること」です。
意外にこれはみなさんが知っていることかも知れませんね。
ですが、これを知っていて活用し、文型を見分けられるか否かというのは大きなものです。
例えばこんなものはどうでしょう。
I got angry.
今回はgetが用いられています。
Getは他動詞で使われることが一般的で、先ほどの第4文型の時にも出てきましたね。
ですが、今回のgetの後ろはangryという形容詞であることが見てみるとわかります。
ということで、このgetは自動詞用法であるとわかります。自動詞用法のgetは「~になる」という意味になります。
そして「私=怒る」という意味関係が成りたちますので、今回は第2文型であるということがわかります。
このように、getというような簡単な単語でも、自動詞か他動詞かを見分けて、文型を判断することで訳し方や意味の捉え間違えを防ぐことができます。
他にも、中学生の始めの方から触れていて親しみのあると思われるI am a student.も第2文型です。
先ほども言った通り、補語には名詞も取ることができ、I = a studentと意味的にイコールになります。
第3文型:SVO
I purchased this car last week.
主語がIで動詞がpurchasedです。
このpurchaseという単語は「購入する」という意味で、簡単に言うとbuyと意味は似ています。
ここで、動詞の後ろに名詞が来ていることがわかります。一瞬第2文型かな?と思いがちですが、主語との関係性はどうでしょうか。
見てみると、Iとthis carが意味的にイコールにはなりそうにありません。
このように、意味的に主語と動詞の後ろの単語がイコールにならないのが第3文型の特徴です。
といっても、先ほどのように衝撃的ではありませんね。第3文型は結構スタンダードな形なので、先ほどの特徴を押さえるのが大切です。
また、第3文型には他動詞が使われます。他動詞は後ろに名詞(目的語)を取りますが、それだと第2文型の時もa studentのように名詞を取っているのもあったし、わかりにくいですよね。
自動詞か他動詞かの見分け方は、動詞の意味を見て、「何を」と思ったら他動詞です。
例えば、先ほどのpurchaseだと、
購入する➞「何を?」:〇
なので、他動詞だとわかります。なので、「私は先週この車を購入した」となるわけですね。
正確に読むには、自動詞か他動詞かを判別するのは、とても大切です。
第4文型:SVOO
She sent me a magazine.
ここで復習です。
自動詞と他動詞の見分け方はどのようにすればよいかわかりますか?
正解は、「何を」と思ったら他動詞、でしたね。
今回のsentはsendという「送る」という動詞の過去形です。
送る➞「何を?」:〇
つまり、sendは他動詞とわかり、後ろに目的語が来ることがわかります。
しかし、第3文型との違いは、第4文型はV+人+物という風に、「人」が入ります。
V+物+前置詞+人という語順にもなりますが、今回は文型の特徴にフォーカスしているため、ここについてはこのくらいにしておきます。
上でも言った通り、第4文型は「与える」という意味になります。ここをしっかり覚えてください!
第5文型:SVOC
第5文型は、先に特徴から言ってしまおうと思います。
パターンが複数ありますが、そのほうが一貫性を理解できるからです。
第5文型の特徴は、意味的に「目的語(O)=補語(C)」という関係性になることです!
代表的な動詞はthinkやfindなどですね。
The government considered those refugees illegal.
ここではconsiderというものを用いた文を紹介します。
Considerは「見なす、考える」という意味の他動詞です。
そしてthose refugeesがO、illegalというのが「違法な」という形容詞なのでCです。
ということでSVOCの第5文型になるわけです。
というわけで、「those refugees(避難民)=illegal(違法な)」という意味的にイコール関係になるというわけです。
この文の意味は「政府はそれらの避難民を違法と見なした」となります。
ここで、第5文型にはパターンがあるので紹介します。複数ありますが、全て意味的に「目的語(O)=補語(C)」となることに変わりはありません!!
- 思考系:think, believe, consider, prove, supposeなど。
- 名付ける系:name, call, appoint, choose, electなど。
- 保つ系:keep, leave
- 使役系:make, let, have,
- 知覚系:see, hear, look at, watch, notice, observe, feel, perceiveなど。
この5つのパターンさえ押さえて、先ほどの特徴を押さえておけば、怖い物なしですね!!
「訳し読み」をする癖を無くした結果…
ここまでやってきて、それぞれの特徴がわかり、「なるほど!」となった人は多いと思います。
ですが、それを実行してみようとなるにはまだ腰が重いかもしれません。
それも仕方ありません。
私たちの多くは英語を習い始めた中1から「訳し読み」を徹底されてきたのですから。
冒頭にも少しだけ書きましたが、以前は私もそうでした。単語を覚えて、訳して読む。SVOCを振って訳して読む。わからない単語が出てきたら、前後の関係から頑張って推測する。こんな感じです。
しかし、どれだけ単語を覚えても、新しい単語は出てきます。
また、試験などで英文を読んでいると、その時初めて遭遇する単語も少なくありません。
推測できるのも、前後との関係性がわかるからできるものであり、もし前後の文の中にわからない単語があって読めていなかったら、その後も読めません。
そこで私は、大学生になって5文型について学び直しました。
SVOCは振るときもありますが、基本は頭の中でやり、文型の特徴から品詞判別や文の意味を考えます。
それらをするだけで、知らない単語が出てきても、大意をとって読み進めることができるようになり、わからない単語がくれば、その大意と前後関係から推測するということもできるようになりました。
以前でしたら、単語の意味がわからないから、頑張って思い出そうとしたりして、時間を無駄に使っていましたが、それも大幅になくなりました。
おわりに
今回は、面白くて便利にも関わらず、みなさんが活用できていないであろう5文型について話しました。
以下に重要な点をまとめておきます!
- 英語は「語順が命!」。
- 自動詞と他動詞の見分けが重要!
- 第1文型は「存在」「移動」が多い!
- 第2文型は「SとCが意味的にイコール!」
- 第4文型は「与える」系の意味になる!
- 第5文型は「OとCが意味的にイコール!」。また、それを基に5つのパターンも把握!
- わからない単語があるような難しい文章こそ、文型を活用し、内容把握!
今回は、私の体験を基に5文型について書きました。
まずは簡単な文からでもいいです。
ぜひ実践してみてください。
違う世界が見えてくるはずです。