留学をしたい、海外に住みたいと思ったとき、耳にするのがIELTS。
ですが点数も4.0や7.5と特殊だし、耳馴染みもない。
どのくらいの点数を目指せるのかがわからない。
このような悩みを抱えた方を多く見かけます。
と言うわけで、今回は他の語学試験とIELTSの点数の換算方法と、換算する上で気をつけるポイントをまとめてみました。
大体の目安も分かると思うので、モチベーションにもつながるかと思います。
この記事を書いている筆者は現在8年間海外に住んでおり、その間様々な英語の試験を受けた経験をもとに記載しております。因みに初めてIELTSを受けた時の結果は4.0でそこから最終は8.0まで伸ばしました。
今回はこの4.0~8.0までの実体験に基づいて実際にほかの試験と比較してどうだったのかを記載します。
IELTSのスコア換算は難しい
IELTSを受ける前に自分の予想点数を他の語学試験から把握したいと考える方も少なくないでしょう。
IELTSは受験料が高い試験です。
なるべく受験回数を減らしたいものです。
しかし、結論から言うとIELTSを他の語学試験と比べるのは非常に難しいのです。
難しい理由として以下の4つが挙げられます。
- ネイティブでも満点を取れない難易度
- 4技能試験
- 中〜上級者に作られており、全ての問題の難易度が高い
- 各セクションの平均を点数とする
それでは詳しく説明していきます。
ネイティブでも満点を取れない難易度
IELTSのテストの難易度は高いです。
中でもアウトプットの科目であるライティングとスピーキングは人の目によって採点されています。
そして、ネイティブでも満点をとることがほぼ不可能と言われています。
これは高得点を目指す人にとっては大きな障害となります。
このアウトプットの採点の厳しさから、単純比較が難しくなっているのです。
4技能
IELTSはリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能を見るテストです。
4つを受けることで初めてスコアとして出てきます。
また、各セクションの割合は等しくなっています。
喋ることが苦手なことの多い日本人にとっては、思ったより点数が伸びにくいのです。
また、ライティングも慣れがないと対応できないので、2技能のテストしか受けたことがない人は点数に幅が出やすいです。
中〜上級者に作られており、全ての問題の難易度が高い
IELTSの特徴として、基礎問題が少ないです。
IELTSはすべてのレベルを1つのテストで測ります。
そのため、最初から難易度が高くなっているのです。
例えばリーディングに関しては1問目から800語の読解、リスニングも最初の問題から5分ほどの長さがあり、後半半分は学術的なレクチャーになります。
英語の初心者の場合、全く手も足も出ず点数が正確に出ないことがあります。
各セクションの平均を点数とする
IELTSの最大の特徴は各セクションの平均を総合得点とすることです。
4技能が1から9まで0.5点刻みで点数がつけられ、その平均がIELTSのスコアになります。
これは、1つ苦手な分野がある場合でも他の分野でカバーすることができると言うことです。
基本的に英語の試験は加算方式が多いので、特に技能にばらつきがある人のIELTSの点数の予想がしにくいです。
どの様に点数を比較するのか
ここまで書いたような背景はありますが、各試験の特徴を比較し、自分の弱点を分析することで大まかな点数を知ることができます。
そこで、「大体でいいからIELTS点数が知りたい!」と言う人のために、特に有名な以下の試験との点数の比較を見ていきます。
- TOEICとの比較
- TOEFLとの比較
- 英検との比較
TOEICとの比較
TOEIC は日本で一番使われている英語試験と言っても過言ではありません。TOEICとIELTSの換算はこのようになっています。
- TOEIC945 = IELTS7.0
- TOEIC850 = IELTS 5.5〜 6.5
- TOEIC550 = IELTS 4.0〜5.0
しかし、2技能と4技能の比較になるので、スピーキング、ライティングの能力によって点数が大きく変わります。
特にTOEICに特化してのみ勉強をしていた場合、これよりIELTSの点数が低く出ることが多いです。
また、使われる英語がTOEICではビジネスですが、 IELTSでは学術的なものになります。
そのため、どのくらい単語を知っているかでも点数は変わるでしょう。
TOEFLとの比較
TOEFLはこの中で最もIELTSに近い試験です。どちらも4技能で、大学受験のために作られたテストだからです。
そのため、海外の大学でも換算方法が多く上がっています。
目安は下の通りです。
- TOEFL100 = IELTS7.0
- TOEFL80 = IELTS6.0
- TOEFL60 = IELTS5.0
ここで注目して欲しいのは、点数が7.0より低い場合がIELTSの方が難易度が低く、7.0より高くなるとTOEFLの方が目指しやすくなると言われていることです。
これは、IELTSではアウトプット科目で高得点が取りにくいのが関係しています。
英検との比較
英検は4技能という点では同じですが、その構成が大きく異なります。まず、目安としては以下のようになります。
- 英検1級 = IELTS7.0
- 英検2級 = IELTS5.0
- 英検3級 = IELTS3.0
IELTSと英検の大きな違いはリーディングの内容です。英検では知識問題の後に長文読解がありますが、IELTSには800語の読解問題のみで構成されています。
そのため、長文に苦手意識があり単語で点数をとっている人はリーディングで苦労する可能性があります。
問題がレベルに沿って作られていないので、英語初級〜中級者だとこれより低い点数が出る可能性があります。
また、IELTSの問題は準1〜1級レベルで、その出来によって点数がついていくと解釈して良いでしょう。
まとめ
IELTSは特殊な試験のため、他の試験との点数の比較が難しいです。
しかし、各テストの特徴を理解し、自分の英語を分析することで大まかな目安を出すことができます。
この記事を参考に、IELTSの目標点数までの道のりを立ててみましょう。